2017年10月5日木曜日

質問に答えることができてる!〜自閉っ子Hayatoの成長キロク〜


写真は5年前のHayato. 今の家に引っ越してくる前の前の賃貸マンションの庭でパンツ一丁で日光浴してる。1Fに住んでたので庭があって、雑草対策のために私が1人で庭を耕して芝を植え終わった頃。
この頃は7歳、小学校2年生かな。YES/NOでの質問への回答もまだ難しくて、単語はかなり発語していたけれど、2語文がやっとだったかな。言語年齢はまだ2歳に達してなかった頃。

Hayatoのことを書くのは久しぶり。Yuiのことも書きたいことがたくさん溜まっているのだけど、どんどん忙しくなっていく中で、時間は取れないし、何だか更年期?で眠くて夜はYuiと一緒に寝落ちしてしまう毎日。Yuiは、この秋から急におしゃべりをするようになって、つねに何かを喋ってる。要求も言葉でしてくるので、だからかな?カンシャクを起こしたり泣きわめくことが減ったかも。
Hayatoが2歳の頃は、単語の1つも話せないし、療育センターに通い始めた3歳頃には「言葉は一生出ないかもしれません」と言われてた。そのHayatoが言葉を発し始めたのは、5歳になって少し。年長さんからひまわり学園(北九州市立の療育園)に通うようになってから。そう、私がそれまでHayatoの障害を受け入れることができず、大人になるにつれて自然と健常者になっていく・・・と、自分をそう思い込ませて現実から目を反らしていた頃。


昨日の夜、夕飯支度しながらのこと。Hayatoは放課後ディサービスの送迎車で帰宅して、2Fの自宅リビングで最近ハマってる『崖の上のポニョ』のDVDを観てた。
もう毎日のように観てるので、私もストーリーやセリフほぼ覚えてしまってて観なくてもDVDの内容についてHayatoとやり取りができる。Hayatoからは「うみ、おさかな、ポニョ」などと単語をつないでDVDの内容報告が時々飛んでくる。
ふと、登場人物の男の子(そうすけ)が車の中でソフトクリームを食べてるシーンで、Hayatoに「そうすけ、何食べてる?」と質問してみた。


「アイスクリーム」と、即座に答えが返ってきた。

え?それって普通じゃん?と思われるかも。相手は中1男子ですから。
しかーししかし!彼は重度の知的障害を伴う自閉っ子であーる。言葉が全く出ない子も少なくない重度の発達障がい者。少し前までは何か質問されてもオウム返しすることが多かったはずなのに、いつの間にか「質問」「回答」の関係性を理解したんやね。
そう気付いたので、Hayatoの成長を記録してる『はやとノート』に記録した。



でも今回のは質問は、DVDの画を観ながらだから自閉っ子にも回答しやすいケースだった。絵を見ながらでない、空で答えること、例えば「何食べたい?」と質問しても、回答の幅が広すぎて何を答えていいやら分からず「ナニヲタベタイ?」とオウム返しをすることがほとんど。そんな時は「ハンバーグとスパゲッティ、どっち?」と、できればハンバーグとスパゲッティの絵や写真を見せながら選択肢を用意してやるとピン!と来やすいから、少し間を置いて答えが返ってくる。そして、「スパゲッティ」などと言葉ではなく写真や絵を指差して「こっち」と答えることが多い。


どんな子もそうだけど、自閉っ子は特に、答えを急かさず、間違えても怒らず、答えやすい環境を整えてやると、安心して回答することに専念できる。自閉っ子は周囲の音だったり相手の顔色とか色んなこと過敏に拾って気になっちゃうと、不安で不安で頭の中がぐるぐるして相手の言葉が聞こえなくなるらしい。これは、自閉症の東田直樹さんの著書『この地球(ほし)にすんでいる僕の仲間たちへ〜12歳の僕が知っている自閉の世界〜』を8年前に読んで初めて知ったこと。(東田さんは言葉をしゃべることはできないけど、お母様の努力でパソコンで入力して発信する術を手に入れたそう)

Hayatoが私が必死に言い聞かせてるときに、怒ってるときに、全く私の目をみようともせずニヤニヤしたりゲラゲラ爆笑したりすることが理解できなくて、怒りを爆発させてさらに事態を悪化させていたあの頃。。。東田さんの本のおかげで、ニヤニヤしているのは「お母さんの言ってることが理解できる!嬉しい!」とか「僕に何か伝えようとしてくれている!嬉しい!」と思っているからだと知った。そして、絶対に目を合わせようとしないのは、自閉っ子にとって目を合わせると、相手を意識しすぎて『目を合わせること』に集中するあまり、相手の声が聞こえなくなってしまうんだそう。Hayatoは私の言うことを全く聞くそぶりを見せずに、顔を反らしてひたすら本をめくってることが多かった。でもそれは、私を無視しているんじゃなくて、目を反らして手を動かし続けることで気分を落ち着けているのであって、そうすることで私の話に耳を傾けていたのです。

それからの私は、Hayatoに何か言い聞かせるときに爆笑されたり、そっぽ向かれて本をパラパラやられても、怒るどころか、「ああ、ちゃんと私の話を聞くことに集中してくれてるんだなー」って思えるようになった。そうやって、Hayatoも少しずつ落ち着いて私と向き合うことができるようになり、療育園での環境の良さも相乗効果になって、少しずつ言葉が増えていった。

話が前後するけれど。
今でもHayatoにとって、ちゃんと正しく答えられない質問もある。
「何歳ですか?」という質問には、何度教えても「5歳」という答えが返ってくる。Hayatoに「何歳ですか?」の答え方を教えたのが5歳の頃だったので、それで「何歳ですか?」と質問されたら「5歳」と答えればいいのだと、固定されてしまったみたい。
年齢が毎年更新されていくことを教えるために、誕生日には数字キャンドルを用意して、今日から12歳ですよ!と教えて、ホワイトボードにも「12さい」と書いてるのだけど、どうにも「5歳」から抜けられないみたい。



この写真は1週間ほど前のもので、Hayatoの身長が、152cmの
私とほぼ並んだ記念写真。背は同じくらいでも、足は私より1cm大きく、肩幅はぐんと広くなって、もう150サイズの子供服では胸がピチピチになってしまう。160cm用か大人のメンズSサイズがちょうど良い大きさになった。発達年齢だけはまだ2〜3歳くらいで、ポニョやしまじろうやアンパンマンが大好き。でも、危なっかしい10歳下の妹を道路で車からかばう姿があったり、精神年齢はそれなりに大人なHayato. この発達バランスの凸凹が障害と呼ばれる所以なのだけど、なんとまあ私にとっては可愛らしい個性(*^^*)
そういえば、YuiにかかりっきりでHayatoに何かを教えることをあまりしてこなかった、この2年半。今では餃子を包むときには戦力になるHayato。手先も器用になり、言葉での指示も理解が早くなって、お手伝いできることの幅も広がってきた。もっともっと、Hayatoのできることを家庭でも増やしてあげねばねー。今がHayatoにとっては2歳児のような時期。そう、何でもスポンジのように吸収して覚えてゆける時期。



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